

益子林業のブログ
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体験型プレゼンツール2 2025.10.3
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とちぎ八溝杉を製材・販売する益子林業です。
前回のブログでは、苦手なプレゼンテーションを楽しく行うために考えたツールをご紹介しましたが、内容を簡単に言うと杉(針葉樹)の保温機能(温かみ)についてご理解頂くためのものでした。
もう一つご理解頂きたいことがあります。それは杉の調湿機能についての説明です。

乾燥材は常に含水率3%前後の調湿機能を発揮します。※(財)日本住宅・木材技術センターの資料より
これを私が言葉で説明すると、3割程度の方が居眠りを始めますので、ちょっとお金をかけて作ったツールを披露します。
タミヤディスプレイケースC73004を2つ用意して、それぞれの底面と壁3面に杉板と複合フローリングを貼り付けて作った実験ツールです。



これに、温度と湿度を表示できる計器を置いて、隣にカップを置きます。両方の温度と湿度がほほ同じこと(誤差はあります)を確認してから、それぞれのカップに同じ量の40℃~70℃のお湯を注ぎます。即座にケースを閉じて経過を見守ります。
お湯の温度が高ければ、両方の湿度が一旦99%になり徐々に杉だけが下がり始めます。しかしお湯の温度が高いと違いが明確になるのに1時間から2時間ほどかかります。
お湯の温度が低い(丁度いい)と、ケースを閉じて30分ほどで明確な違いを確認することができます。



今回は、お湯の温度を40℃ぐらいにしたのですぐに違いを確認することが出来ました。ご興味があれば同じようなものを作って頂いて、お湯の量や温度を変えて違いを確認してみて下さい。
この実験が終わった後は、数時間ケースを開けたまま板が吸った湿気を放出させてから片付けてもらえれば、次の出番の時にはまたしっかりと仕事をしてくれます。
私は製材業者なので杉板と複合フローリングでこの装置を作りましたが、例えば漆喰とビニールクロスでやってみても面白そうですね。
前回に引き続き申し上げたいのは、施主が針葉樹の床板のことを理解した上で結果的に複合フローリング選ばれるのは結構なことだと思います。
しかしながら、無垢の木材の快適さを知らずに別な素材に決めてしまうのはとても残念でなりません。
是非とも建築家の方々にはこのようなツールを活用して杉(針葉樹)の特性を説明して頂ければ幸いです。










