

益子林業のブログ
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UNDER8の道のり その1 2025.07.09
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予想以上の反響があり、UNDER8の注文が増えていきました。
工場ではUNDER8が誕生してから、初めて納期に追われることになり、社員は毎日のように残業を強いられました。
そんなある日、ヘビーユーザーの工務店の社長から電話がありました。
「益子さん、いつもの床板を施工して、養生シートを剝がしたら板が結構隙ているんだけど、うちの大工の絞め方が足りなかったのかなぁ。」
早速現場へ飛んで行き、床板の寸法や含水率を確認したところ、UNDER8ではあり得ない痩せ方と、含水率でした。
ここで、杉UNDER8床板の乾燥方法を説明すると、1次製材後に数カ月の天然乾燥を行い、仕上げ乾燥を人工乾燥機で行うのですが、天然乾燥を終えた時点での含水率は、25%~60%程度です(杉の天然乾燥はこのぐらいのばらつきが出ます)。
原板寸法4000×36×160の比重を0.38で計算すると、含水率180%の重量は約24.6㎏、含水率30%の重量は約11.4㎏、含水率11%の重量は約9.8㎏となりますので、グリーン材と天然乾燥後の材木は手で持てば誰でもわかりますが、含数率30%の材木と11%のそれではかなり注意しないと判断が付きません。
以上の理由から、教育の行き届いていなかった弊社の加工担当者は、納期に追われる中で天然乾燥しただけの原板を加工して出荷してしまったのです。
工務店様には正直に事情を説明し、材料費と大工手間を補償する形で床板を張り替えて頂いたのでした。
もう一つ、弊社の歴史に残る重大事件があります。 (つづく)