

益子林業のブログ
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製材工場の副産物 2025.09.18
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とちぎ八溝杉を製材・販売する益子林業です。
益子林業の決算書の項目には”副産物売上高”というものがあります。内容は、チップ、おがくず、モルダーくず、バーク(木の皮)です。



チップ おがくず バーク(木の皮)
モルダーくずはお駄賃程度の料金で、バークは無料で専門業者に引き取ってもらいます。モルダーくずは粉砕して畜産農家に販売され、バークは木質バイオマスボイラーの燃料として利用されます。
おがくずは、専門業者が粉砕せずに直接商品として販売できるので、弊社にもそれなりの代金を支払って頂いております。このおがくずも畜産農家に使用されます。
さて、本日の話題はチップです。このチップは最終的に製紙工場で紙(パルプ)になります。そのため丸太の皮を剥かないと、チップに皮が混入してしまい品質が落ちます。それだけの理由ではありませんが、私達製材業者が丸太の皮を剥く一番の理由は、良質なチップを作るためです。
近年は燃料用に国産材が使われる量が増えていています。今まで製材所で作られるチップは主にパルプになっていましたが、最近の大型製材工場ではチップが燃料用に使われるケースも出てきております。
建築用材としての国産材自給率は50%を超えてきましたが、パルプ用チップの自給率は20%を下回っています。つまり日本で使われている紙の原料の80%以上が海外から船で運ばれてきている訳です。
令和6年度林業白書
私が偉そうなことを言うのも何ですが、パルプ用チップの自給率を上げることよりも、紙の使い方を考えた方が良いのではないかと思います。以前は割箸がよくやり玉に上げられていましたが、紙を大切に使うことの方が先決なような気がしております。
弊社の事務所にもどこぞのノベルティー商品で頂いたメモ帳が沢山残っています。実際に使っているのはコピー用紙の裏紙なので、このメモ帳は溜まる一方で減りません。
頂いておきながらこんなことを言うのも何ですが、年末のカレンダーも適量なら嬉しいのですが、社員全員に配っても余ってしまうのは何とも勿体ないですね。
一方、弊社では新聞もNET配信で読むようになりました。こうした取り組みも紙の使用量を減らす一助になれば良いのですが・・・。


今日も業者さんが大型トラックでチップを回収してくれています。
チップサイロの下にトラックを止めてチップを上から落とす訳ですが、今年のように残暑が厳しいとチップサイロの中は相当な温度になっていると思います。
沢山の業者さんに支えられて私たちの業務が成り立っていることに感謝しつつ、木の家をプロデュースする建築家の皆様に、より一層のお役立ちが出来るように頑張ります!
日本の山から産出された丸太は、ほぼ99%有効利用されています。
今まで切り捨て間伐で山に捨てられてきた丸太も、燃料用として随分有効利用されるようになりました。建築家の皆様には、このように環境に優しい材料を沢山ご使用頂ければ幸甚です。










