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益子林業のブログ

  1. 野縁  2025.08.06
  2. とちぎ八溝杉を製材・販売する益子林業です。

    益子林業で人気のある製品の中に野縁があります。

       


    この野縁は地域によって寸法が違います。

    野縁のことを「イーニッサン」と呼ぶ人がいる様に、一昔前は1寸2分×1寸3分だったのかもしれませんが、現在は30㎜×40㎜を使う人が多いです。

    栃木県ではまだ33㎜×40㎜を使う人もいますし、東北では36㎜×36㎜を使う人もいるようです。

    そもそも野縁の良し悪しは何が決め手となるかというと、大工さんの使い勝手です。

    所詮下地材なので、見た目の美しさは関係ありませんが、細い材料のため、節が大きいとそこから不自然に曲がってしまったり、質の悪いものだと折れてしまったりします。

    天井の下地に使う場合は長いまま使うので、低品質だと上手に下地を組めないのです。

    そのような材料は切り使いすることになりますが、現場で材料を吟味したり、取捨選択するのに手間(時間)がかかって、建築で最も高い人件費が嵩みます。

    したがって、それを理解している大工さんや工務店さんは、単価が高くても品質の良い野縁を使うわけです。

    現在、日本で最も多く流通している野縁は欧州(ロシア)赤松の野縁です。

    グレードは3~4段階に別れますが、最も高いグレードは2面無節~4面無節になります。
    このグレードは、建築よりもイベントやスタジオセットの設営に用いられるようです。

    末端単価は170,000円/㎥以上になると思います。次に特等の最高グレードになりますが、こちらの末端単価は140,000円/㎥以上になります。次のグレードで110,000円/㎥~、その次のグレードで90,000円/㎥~という具合です(令和7年7月時点)。

    建坪35坪の住宅ですと300本~350本程度使いますから、金額に換算すると1.4㎥~1.7㎥使うことになります。
    結構な金額になりますね。
    それでも使い勝手の良いものを求める人が多いのが事実です。
    ちなみに最も低いグレードを使う人は建売住宅を請け負う人が多いです。

    何故、欧州(ロシア)赤松野縁の流通量が多いかというと、ひと昔前の杉野縁の品質が低かったからです。
    欧州(ロシア)赤松は天然木のため目が詰まっていて、節の大きさ別に仕分けしてあり、さらにプレーナーがかかっているのに対し、杉は仕分けも悪く、ラフ挽きのままでしたから勝負になりません。
    ですから杉の野縁は大工さんの手間がかかっても釣り合うほどの安さで売られていたのです。

    時代は進み現在は、欧州(ロシア)赤松も杉もKDプレーナーが主流になりました。
    まだまだ欧州(ロシア)赤松の方が評価は高いですが、杉も高品質なものが流通するようになりました。

    高品質な野縁の末端単価は100,000円/㎥~ですから、欧州(ロシア)赤松のそれと比べると40,000円/㎥ほどコストパフォーマンスが高い訳です。

    しかし、野縁は大工さんの使い勝手が決め手となるので、欧州(ロシア)赤松を使い慣れた大工さんは杉を使いたがらないのが現実のようです。
    しかし、逆も然りで杉の野縁を使い慣れた大工さんは欧州(ロシア)赤松の野縁を使いたがりません。
    つまり、食わず嫌いではないかと思っています。

    35坪の住宅で野縁だけで60,000円も違い、一度使ってみれば問題なく使えるのであれば、その60,000円は別な用途に使った方が施主が喜ぶと思いますが、如何でしょうか。

    私が言うのも何ですが、益子林業の野縁(杉KDM 特等4000×30×40)はとても高い評価を頂いております。
    これには理由があります。

    造作材工場の益子林業では、枠材は目合いや色合いが美しいものしか製品にしません。

       


    つまり、無節でも目合いや色合いが美しくない材は野縁にしてしまうのです。

    言い方を変えれば、野縁は基本的に木表が無節または上小節の部位でしか取りません。

    したがって、仕分けをしなくても品質の高い野縁となるのです。

    さらに3面無節や4面無節も普通に含まれるので、手摺材やスノコ材として使って頂く工務店さんも少なくありません。
    このような使い方をして頂くことで、より施主に喜んで頂けるのではなかと思い野縁を作っている今日この頃です。

     



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